蜻蛉と蟷螂

トンボを中心に、季節の昆虫を撮ります。

夏の終わりを告げる者(2021年8月)

カヤキリ【2021年8月】

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OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

お盆を過ぎ、夏もいよいよ終盤に。

そんな夏の終盤にだけ姿を現して、秋が深まる頃には姿を消す、晩夏限定の鳴く虫がいます。

 それがカヤキリです。

ススキやオギなどの背の高いイネ科植物の藪に棲む、大型のキリギリスの仲間です。

カヤキリの成虫の出現時期は8月〜9月上旬まで。成虫の活動は晩夏にピークを迎えます。

オスのカヤキリは日が暮れはじめると、ススキやオギなどの高いところに登ってジャーッとものすごく大きな声で鳴きます。

セミにも負けないくらいの声量なので、他の鳴く虫たちのように家で飼育するのには向きません。

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OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

7cmにもなる巨体と、赤く鋭い大顎をもつカヤキリですが、主食はイネ科植物なのは意外に思う人も多いかもしれません。

しかし気性は荒く、手を近づけると大顎を開いて噛みつこうとしてきたり、威嚇鳴きをしたりします。

噛まれたらかなり痛いので捕まえるときは注意が必要な虫です。

そんなカヤキリ、田舎ではさほど珍しい虫ではありませんが、開発が進んだ都市部周辺では数を減らしており、絶滅危惧種に指定されている地域もあります。

マツムシやスズムシのような風情がある鳴く虫もいいですが、でっかくてパワフルなカヤキリもかっこよくていいですね。

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 OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO