蜻蛉と蟷螂

トンボを中心に、季節の昆虫を撮ります。

キトンボ(2021年11月)

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OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mmF5.0-6.3 IS

翅までオレンジ色に色づく、晩秋の赤トンボ。

赤トンボの仲間ではいちばん寒さに強く、年を越すことも珍しくありません。

一方で暑さは苦手らしく、日差しが和らいで朝方肌寒く感じるくらいの時期から姿を見せ始めます。

ピークは10月下旬頃でしょうか。

オオキトンボとは近縁な関係にあり、外観の雰囲気も似ていますが、全身が満遍なく薄いオレンジに色づくオオキトンボに対し、キトンボは腹部の背面と翅の大部分が濃いオレンジになります。

そして、オオキトンボの方がはるかに大型なので、成熟した両種を見間違えることはほぼないと思います。

キトンボは赤トンボの中では警戒心が強い部類に入りますが、他の赤トンボよりも縄張りへの執着が強く、飛び立ってもほぼ同じ場所に戻る、サナエトンボのような飛び方をします。

また、水面を飛びながらホバリングを頻繁に行うため、他の赤トンボよりも飛翔撮影がしやすいです。

キトンボが生息しているのは樹林に囲まれた水質の良い池で、谷戸の奥にある湧水が混ざるような古いため池などでよく見られます。

以前は見られていた場所でも、外来種や農薬などの影響が出てくると途端に見られなくようで、その関係か、都市部近郊や平野部ではなかなかお目にかかれません。

東京や大阪など都市中心部に住んでいる人にとっては縁遠い存在かもしれません。