蜻蛉と蟷螂

トンボを中心に、季節の昆虫を撮ります。

翡翠の翅(2022年6月)

f:id:awatuki:20220717215822j:image

OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mmF5.0-6.3 IS

青から緑へのグラデーションが美しいアオハダトンボ。

翅を閉じて静止するタイプのトンボですが、時々その煌めきを見せびらかすかのように翅をパッと開きます。

翅の色は光の当たり方によって青色から青緑色に変化する構造色と呼ばれるもので、成熟したオスの翅にだけ現れます。

オスはこの構造色の煌めきに反応し、縄張りに他のオスが侵入すると激しく追い立てて追い払いますが、まだ構造色を持たない未成熟のオスやメス、他のカワトンボが近づいても追い払うことはありません。

なので翅を開くのは縄張りを誇示して他のオスやメスへのアピールしているのだと思われます。

構造色を持つ昆虫はたくさんいますが、その美しい輝きをここまで明確にディスプレイとして用いている昆虫はなかなかいません。

新緑の季節にだけ清流に現れるその姿は最高にフォトジェニックで、ついつい時間を忘れて撮影に没頭してしまいます。

f:id:awatuki:20220717220040j:image

OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro