琥珀の翅(2022年6月)
OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mmF5.0-6.3 IS
春から晩夏まで、清流で活動を続けるミヤマカワトンボ。
他のカワトンボはそれぞれの季節限定で、タイミングを逃すと出会うことができませんが、ミヤマカワトンボは5月から8月までの長い間、河川の上流から中流で姿を見せてくれます。
カワトンボ科の日本最大種ということもあり、その圧倒的存在感が魅力のトンボです。
流れの中の石の上で縄張りを張る姿は堂々としていて迫力があります。
そしてやはり、カワトンボ科の他種同様、有色の翅が非常に美しいです。
ミヤマカワトンボの翅は一見褐色で地味な印象を受けますが、光を受けることで印象が変わります。
光を反射すると、翅脈は金属的に輝き、光を透かした翅は美しい琥珀色になります。
この金属的な輝きと琥珀色の両方を1枚の写真に収めるのはとても難しく、金属光沢を写そうとすると翅の色が暗くなってしまい、逆に綺麗な琥珀色を目指すと金属感が失われてしまいます。
肉眼で見た色彩や質感を写し止めるのは頭で考えているよりも遥かに難しいですね。