蜻蛉と蟷螂

トンボを中心に、季節の昆虫を撮ります。

優美(2022年8月)

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OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

清流の上流域にて、トンボ観察を始めてからずっと憧れていたトンボにやっと出会うことができました。

オジロサナエは、上流域の森の中でひっそりと暮らしている小さく可憐なサナエトンボです。

生活史が特殊なため、ヤゴや羽化したばかりの成虫を見る機会は多いですが、成熟した成虫たちが繁殖活動を行う様子を観察するのはなかなか難しい種類だったりします。

というのも、繁殖活動場所とヤゴの生活場所が異なるためです。

上流域の小さな沢で産卵は行われますが、ヤゴたちは上流から川の流れに乗って流下しながら成長します。

そのため成虫の羽化は主に中流域で見られます。

羽化した成虫は川を遡って上流の森に戻ると、森の樹上と沢の浅瀬を行き来しながらひっそりと繁殖活動を始めます。

成熟したオジロサナエの生活場所は主に樹上で、カラッとよく晴れた夏の日にだけ水辺に現れるため、成熟した成虫を観察するのはなかなか難しいです。

細身ですらっとした体型と、やや大きめの複眼がかわいい小型種で、名前の由来となったオスの白い付属器は牛の角のような独特の形をしていてかっこいいです。

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OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro