蜻蛉と蟷螂

トンボを中心に、季節の昆虫を撮ります。

清流に舞う宝石(2021年6月)

日本には宝石のような美しい姿をした昆虫がたくさんいます。

有名なヤマトタマムシコガネムシはもちろん、輝く金緑色の翅を持つ樹上性のシジミチョウの仲間や、北海道に生息するオオルリオサムシの仲間など、"構造色"をもつ昆虫たちは特に美しい種類が多いです。

 

構造色とは?

構造色というのは、見る角度によって色が変化する不思議な色構造のことを言います。

構造色をもつタマムシの翅の表面は実際に色がついているわけではなく、表面の微細構造に光が当たることによって緑色に輝いて見えるのです。

なので光の当たる角度や、光の強さによって色の見え方も変化します。

清流に舞う宝石

構造色の翅をもつトンボは日本にも何種類かいますが、中でも特に美しいのがアオハダトンボです。

アオハダトンボ Calopteryx japonica は水生植物が繁茂する清流に生息するトンボです。

もともと分布が局所的な傾向があるうえ、他のカワトンボの仲間よりも環境の悪化に敏感に反応して姿を消すため、全国的に数を減らしています。

アオハダトンボは成熟したオスのみが翅に構造色をもち、その翅の色は光の当たる角度によって深い紺色から青緑に変化し、大変美しいです。

f:id:awatuki:20210711130002j:image

OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mmF5.0-6.3 IS

成熟したオスは川の中の石やツルヨシなどの植物に止まって縄張りを張り、縄張りに侵入した他のオスはしつこく追いかけて追い払います。

f:id:awatuki:20210711171725j:image

OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mmF5.0-6.3 IS

翅を拡げると翅のブルーがきらめき、とても美しいです。

f:id:awatuki:20210711172401j:image

OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mmF5.0-6.3 IS