蜻蛉と蟷螂

トンボを中心に、季節の昆虫を撮ります。

アキアカネ(2021年10月)

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OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mmF5.0-6.3 IS

夏に避暑地へ旅をすることで有名な、赤トンボの代表種。

初夏に羽化した新成虫たちは標高のある山地帯へ移動し、暑い季節を涼しい場所で過ごした後、平野部の気温が下がって繁殖に適した気温になると、山を降りて平野部で繁殖活動を開始します。

トンボはどの種類も前生殖期間と呼ばれる期間があり、羽化してから成熟して繁殖活動に参加できるようになるまで2週間ほどは水辺を離れて草地や樹林などで過ごしますが、ほとんどの種は水辺の近くにある場所を選びます。

アキアカネのように長距離を移動する種類は珍しく、赤トンボの中でも特殊な部類に入ります。

アキアカネが山から降りてくる時期は毎年同じではなく、秋が深まって気温が下がらないとなかなか平野部には姿を現しません。

今年は9月末から10月頭まで気温が高い状態が続いたせいか、各地でアキアカネの出現が遅れたようで、SNSでは心配する声が上がっていました。

そんな風に秋の訪れを知らせてくれるアキアカネですが、全国的に激減しており、とくに都市部周辺ではほぼ見られなくなってしまいました。

私が住んでいる地域では今もまだ街中でも見かける、もっともよく見る赤トンボですが、それでも群れを成して飛ぶ姿を見れる場所は限られます。