蜻蛉と蟷螂

トンボを中心に、季節の昆虫を撮ります。

草原の妖精(2021年7月)

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OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

今の時期、こんな感じの、芝生みたいな浅い草むらを歩いていると、小さなバッタが次々と飛び出してくることがあります。

ショウリョウバッタやイナゴの幼虫です。

しかし場所によっては、バッタではなくて小さなカマキリがたくさん飛び出してくる草むらもあります。

みなさんは経験ありますか?芝生にカマキリ。

あまり聞いたことがないと思います。

なぜなら、そのカマキリはとても珍しいカマキリだからです。

オオカマキリなどの大型のカマキリの幼虫は、小さい頃はヨモギの茂みのような、膝丈くらいの草むらの葉の上で暮らしています。

なのでこれらのカマキリは芝生のような浅い草むらにはいないんです。

 

草原の妖精

芝生のような浅い草むらにいるカマキリは、ウスバカマキリというカマキリです。

ウスバカマキリは日本全国に分布しているカマキリですが、生息地は限られていて、どこにでもいる昆虫ではありません。

明るい乾燥した草むらを好み、河川敷や海岸などの広大な草原に生息しているため、そのような環境が残されている場所でないと出会うことはできません。

幼虫時代はごく浅い草むらの地面付近で草の間に身を潜めているため、そのような場所を歩くと驚いた個体が飛び出してきます。

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OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

明るい緑色か、白っぽい褐色の2種類のカラーバリエーションがありますが、いずれも周りの草よりも明るい色をしているので動くととても目立ちます。

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OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

動きは非常に素早く、飛び跳ねたり、茂みに潜り込んだりしながら逃げ回るので撮影は困難を極めます。

構図やアングルを意識してる余裕はありません…

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OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

こっちを向いてるのはこれだけ。

この妖精感が好きです。

今は小指の先くらいしかありませんが、成虫になると5cmくらいの大きさになり、動きにも落ち着きが出てきて撮影しやすくなります。

秋が楽しみです。