蜻蛉と蟷螂

トンボを中心に、季節の昆虫を撮ります。

憧憬(2022年4月)

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OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

私にとってずっと憧れだった昆虫、ゲンゴロウ

図鑑には必ず載っているけれども、どこにいるのかさっぱり分からず、自分には手の届かない生き物だと思っていました。

地元にも生息しているという情報を知り、大学時代は本気で探し回りましたが、出会えず。

諦めきれず、有名な産地に遠征して探しに行きましたが、なんとそこでも出会うことが出来ず…。

しかし社会人1年目の春、とある出会いをきっかけに、ついに地元のため池で生きたゲンゴロウを採集することができました。

初めて見た時は、その圧倒的な存在感と重厚感にただただ見惚れてしまいました。

こんな大きくてかっこいい昆虫が、戦前は日本中の平凡な田園地帯で普通に見られていたなんて信じられないですよね。

そんなゲンゴロウは、東北や北関東など、東日本ではまだ生息地が残されていますが、西日本では、本当に限られた地域でしか見ることができなくなってしまいました。

近年、農業者の減少に伴い、各地で管理が行き届かなくなったため池の埋め立てや護岸が進み、ゲンゴロウ類の生息地はどんどん少なくなっています。

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OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

この素晴らしい昆虫が、昆虫館や図鑑の中でしか見られない生き物になってしまわないことを願っています。