蜻蛉と蟷螂

トンボを中心に、季節の昆虫を撮ります。

古代の面影

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OM-D EM-1 MarkⅡ+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

エゾサンショウウオは世界中で北海道にのみ生息している固有種。

体長が20cmにもなる大型のサンショウウオで、手脚も長く、がっしりとした体型がかっこいい種類です。

頭部から尻尾まで背中側の淡色部には金箔を散らしたような細かな斑紋があり、非常に美しいです。

この写真は真夜中に撮影したものですが、どことなく古代生物のような雰囲気があってお気に入りの写真です。

エゾサンショウウオは北海道のほぼ全域に分布しており、ほとんど標高のない低地から高標高地までのさまざまな水辺に適応していますが、生息地によって体長や体色などに大きな違いが見られるため、もしかすると今後複数の種に分類が分かれるかもしれません。

また、日本のサンショウウオで唯一、幼形成熟個体が発見されています。

本来、成体になると鰓が退化して肺呼吸になり、主に陸上で生活するようになるはずのサンショウウオですが、鰓が退化しないまま成体になり、繁殖活動を行うことを幼形成熟と呼びます。

幼形成熟はメキシコサラマンダーと呼ばれる種が有名で、日本では幼形成熟個体がウーパールーパーという呼び名でペットとして流通しています。

エゾサンショウウオ幼形成熟個体群は約90年前に絶滅してしまったものと考えられていましたが、去年の12月に再発見され、大きなニュースとなりました。

このような発見は非常に喜ばしいことであると同時に、地域個体群単位の保全の重要性も考えさせられますね。